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水虫の症状について

たかが水虫されど水虫(Part1)

症状について

水虫で悩んでいる患者さんは1000万人以上と言われています。約10人に一人が罹患していることになります。水虫といえばたいていの人が足の水虫を思い浮かべますが、手、顔、頭、おなか、爪などどこにでも感染します。外来を受診する患者さんの中には、水虫と思わずに来院する方も結構います。ここでは水虫の基礎知識を説明し、最先端の治療法を紹介していきます。

水虫の主な原因は白癬菌(はくせんきん)

水虫は真菌(カビ)の一種である白癬菌が皮膚に感染して生じる疾患です。この白癬菌はケラチナーゼという酵素を持っており、皮膚の最上層にある角質層のケラチンという物質を溶かして侵入していきます。爪、毛にもケラチンがあるため白癬菌は体中どこにでも感染するわけです。

足の水虫のタイプ

1.趾間型(足の指の間)

もっとも多いタイプで、足の指の間が白くふやけて皮がむけてきます。痒みを伴うことが多いです。

2.小水疱型(水ぶくれ)

ジメジメする梅雨の季節に多いタイプで、土踏まず、足の側縁に軽い赤みを伴った小さな水膨れから始まります。痒みが非常に強く数日後には乾燥して皮がボロボロとむけてきます。長時間靴を履く人、油足の人に多いタイプです。

3.角質増殖型(ガサガサ)

足の裏、特にかかとの皮膚が厚くなり、表面がザラザラしてきます。痒みはほとんどなくあかぎれと思っている方が多いです。市販のあかぎれの塗り薬で治らないと言って受診されます。

4.爪白癬

白癬菌が爪の中に侵入してくると、爪が白く濁り、厚くなり変形したりします。自覚症状はほとんどなく、放置されている方が多いです。爪の水虫は治らないとか、飲み薬は副作用があり抵抗を持たれている方がいますが、それは誤解です(治療で詳しく説明します)。

足以外の水虫

1.股部白癬(インキンタムシ)

若い男性に多く痒みが非常に強いのが特徴です。マタズレと思い込んでいる方が結構います。

2.体部白癬(ゼニタムシ)

体に輪状の発疹が出現します。中心が正常でまわりに拡がるのが特徴です。

3.頭部白癬(シラクモ)

頭部に大小の円形の境界明瞭なフケが出現し、その毛は折れやすく抜けやすくなります。自覚症状はありません。湿疹と誤診され長期間ステロイド剤の外用を続けると完全脱毛(ハゲ)になってしまいます。

 

以上簡単に分類しましたがこれ以外にもたくさんの病名はありますが、ここでは割愛させていただきます。足以外の水虫は一般には広く知られていないため市販のかゆみ止めを塗り症状が悪化して病院を受診するケースが多いです。また自己診断は間違っていないのに、市販の水虫の薬を塗っても治らず、病院の水虫の薬で治った例も多々あります。同じ水虫の薬でも軟膏、クリーム、液があり症状にあった剤型を選ぶことが必要で、剤型を間違えると症状が増悪するのです(治療に関してはPart2でお話しします)。

水虫に関するまめ知識

1.爪の水虫は、外用剤で治りますか?

外用剤だけでは非常に治りにくいです。飲み薬を約6ヶ月服用すれば治ります(具体的なことはPart2でお話しします)。

2.酢に足をつけると効果はありますか?

水虫には実に多くの民間療法がありますが、ほとんど効果はありません。酢療法も同様でかえって症状が悪化することが多いです。

3.油足の人は水虫にかかりやすいですか?

油足は油が出ているのではなく、多汗症のため汗がたくさん出ている状態です。水虫は湿気を好みますので油足の人は水虫に罹りやすいと言えます。

4.ネイルカラーは水虫に影響しますか?

ネイルカラーが白癬菌の増殖を抑えるという研究報告があります。爪白癬の予防にはなるかもしれませんが、治療薬の代わりになるとまでは考えない方が良いでしょう。

今回は水虫の分類、まめ知識をお伝えしました。次回は治療法につき具体的にお話しいたします。最近発売された飲み薬に関しての最新情報も掲載します。

本音で迫るドクターの独り言

水虫は自己診断で薬局で外用薬(塗り薬)を購入することが多いと思いますが、診断がまず間違っていると症状が悪化します。また症状により水虫の薬も使い方が様々です。薬局の方は医者ではありませんので症状を説明しても診断は必ずしも正しいとは限りません。症状が悪くなれば必ず病院を受診して下さい。

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